京都北医師会と懇談

京都北医師会と懇談

11月12日 京都ブライトンホテル

構造改革で後退した社会保障の建て直しを

15人が出席して開かれた京都北医師会との懇談会
15人が出席して開かれた京都北医師会との懇談会

 京都北医師会との懇談会は11月12日、市内のホテルで開催した。懇談会には地区から10人、協会から5人が出席し、京都北医師会・田代研第一副会長の司会で進められた。冒頭、同会・水谷均会長が挨拶し、アメリカの経済・政治情勢について触れた後、アメリカの医療制度について「4700万人もの無保険者や、経済力で給付に差が出る民間保険など、医療が受けられる差は歴然となり、事態は深刻である。我が国は国民皆保険制度だが、小泉構造改革によって社会保障は後退した。我が国も再考して建て直す必要がある。医療・福祉の向上は国が安全、平和であって経済が発展してこそであり、次の衆院選もこういった点を考慮して誰に投票するかを考えるべきだ」と述べた。

 関理事長の挨拶の後、各部会より報告があり、意見交換した。意見交換の中で、後期高齢者医療制度について地区から、「後期高齢者になって保険料は大幅にアップになった。それでいて医療内容に制限があり、憤りを感じる。悪法ということをPRして、反対運動を進めてほしい」との意見が出された。これに対して協会より「保団連の署名が47万人に達している状況の中、政治は逃げ回っているように思う。また、何回も受診してはいけないのではと言われる方や遠慮されて受診されないなどの受診抑制の事例も聞く。このような実態や意見をアピールしていきたい」と強調した。

 また、医療安全対策について、地区より「患者の権利意識も向上し、解決しにくい傾向があると思う。医事紛争は今後ますます増えていくだろう。協会は新聞などを通じて医療安全対策のPRをしてほしい」との意見が出され、「医療の高度化・多様化の中で、患者のニーズも高くなっている。加えて医療従事者の過酷な労働条件、マスコミ報道の増加などがある。協会は医療安全セミナーなど、医療安全対策諸活動に取り組んでいる」と答えた。

 さらに、「保険医新聞に医療問題や政治的な難しい問題を、ユーモアを交えて執筆連載していただければよい」との意見や、保険医年金・休業補償制度について質問が出された。またレセプトオンライン請求義務化問題、救急医療体制についても話題が及んだ。

 閉会の挨拶として、出口武司第二副会長が「有益な情報を頂き、ありがとうございました。協会には今後も最新の情報提供と問題提起をお願いしたい」と述べ、閉会した。

【京都保険医新聞第2669号_2008年12月15日_5面】

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