京都北・上京東部・西陣医師会と懇談  PDF

京都北・上京東部・西陣医師会と懇談

11月26日 京都府保険医協会会議室

「新専門医制度」に疑問・異論が続々と

 協会は、京都北・上京東部・西陣医師会との懇談会を11月26日に開催。3地区から10人、協会から6人が参加した。上京東部医師会の飯田明男理事の司会で進行した。同会の大友啓資会長の開会あいさつ、垣田理事長のあいさつの後、協会から(1)各部会からの情報提供(2)情勢報告(3)新専門医制度—について説明を行った。

 「新専門医制度」を中心に医療提供体制について議論が行われ、地区から「地域医療ビジョンはひとつの地域を大きな病院に見立てたもの。医療費抑制を狙ったものであることは明らかだ」「新専門医制度は、セカンドオピニオンや患者のフリーアクセスなど、不明な点や矛盾点も多い。こういった問題が解決されないのであれば、現在の医療提供体制を崩すわけにはいかない」「経済成長ありきの視点しかない構想だ。皆保険を守っていくためにも医師集団として意見を発信することが大切ではないか」などの意見が出された。

 これらに対し、協会は総合診療専門医という資格を得たら、すぐに基本領域を広く診ることができるという錯覚があるのではないかと指摘。地域の医師となるためには、患者とともに病に向き合い、そうした日々の診療で研鑽を積むことがなにより重要だ。研修だけで培われるものではないとした。

 また、地区からは若い医師に対し、「スペシャリストを目指して医学部へ進学する学生が多い。そういった中で、総合診療専門医に学生の食指が動くのか」「地域医療ビジョンでITソリューションの活用といわれている。クラウドに患者の情報を集約するとあり一見便利そうだが、医師は患者と顔を合わせて初めて病態などを理解することもある。特に若い医師が、情報だけで分かった気になるのではないかと危惧する」などの意見も出された。

 協会は、国は開業医という存在を管理する手段として、「新専門医制度」を利用しているとしか思えない。「新専門医制度」をよりよい制度にするために専門医機構等に意見を表明していくことも大切だが、それを利用しようとしている国の思惑がどこにあるのかを明らかにする必要があるとした。

 その他、地区から出された「協会の立ち位置は今後どうなるか」という質問に対し、医療・介護の一体改革で、医療費抑制策が押し進められている中、医師のあり方までが変えられようとしている。協会は、患者から学び日々の診療の中で自身のスキルアップを行う現在の医師の姿を後進に伝え、また守っていくことが大きな仕事のひとつだと考えていると回答した。

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