京都・広域連合議会が制度堅持求める「決議」/保険医協会が抗議談話
京都府後期高齢者医療広域連合議会は9月5日に開催した定例議会で、「後期高齢者医療制度の堅持及び改善に関する決議」を賛成19、反対8、退席1で可決した。制度廃止を掲げる民主党が総選挙で勝利したことを受けてのもの。これに対し、京都府保険医協会は抗議談話を発表し、同議会の全議員に送付した。
「決議」は、ようやく軌道に乗った同制度を廃止すれば、老人保健制度の問題の解決は遠ざけられ、制度の度重なる見直しにより、高齢者や医療現場に混乱を来すとする。保険料負担も再び引き上がり、高齢者の不安を増大させるとし、国に制度を堅持し負担軽減に努めるよう求めている。
これに対し「談話」は、制度最大の問題点は医療給付費の1割を被保険者本人の保険料で賄う構造にある。給付費が伸びれば保険料は上昇する。保険者は保険料高騰を避けるため、給付抑制に向かわざるを得ない。この財政構造を取り除かない限り、いずれ、必要な医療を患者に届けることができない事態が生み出される、と指摘。その根本問題を無視し、住民の願いともかけ離れた決議を可決してしまったことは誠に残念、と批判した。