京北病院の在り方検討/市医療施設審議会が中間答申
累積赤字を抱える京都市立京北病院(右京区) の今後の在り方を検討している市医療施設審議会が9月16日、中間答申案をまとめた。市立病院(中京区)との経営統合などで医師確保を進め、経営改善しても不採算が続く場合は、外来診療科目を再編するよう求めた。
京北病院は地域の人口減少と高齢化、常勤医不足による患者減少が重なって経営が悪化し、2007年度決算では約3億6000万円の累積赤字を計上した。答申案では「病院機能の過度な縮小は過疎化に拍車をかけ、経営を一層悪化させる」として、へき地医療や一次救急、高齢者のかかりつけ医の役割を担うべきと位置付けた。
その上で、最重要課題の医師確保策として、処遇改善と同時に、市立病院からの医師派遣が暫定措置にとどまっていることを指摘。「経営の統合・一本化に取り組み、医療サービスが安定的に確保されるシステムを目指すべきだ」とした。
また、入院ベッド数については、介護保険適用の療養病床分(12床) が国の制度改定で11年度末に廃止となるため、10年度までの推移を見極めて対応すべきとし、現在7つある診療科と4カ所の診療所は収益増加が見込めない場合、一部廃止も含む「機能の再編・集約化」を図るよう求めた。
経営形態の在り方については、同審議会で市立病院と一体的に検討している。年内に最終答申をまとめる予定。