事業認可の異議はすべて棄却/核燃料再処理工場で保安院  PDF

事業認可の異議はすべて棄却/核燃料再処理工場で保安院

 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)などの事業を認可したのは違法だとして、市民グループなどが1993年に国に申し立てた10件の異議について、経済産業省原子力安全・保安院は7月10日「安全審査は妥当」としてすべて棄却したと発表した。

 申し立てから判断に長期間かかったことに関して、保安院は「97年の東海村再処理工場爆発事故の対応を優先するなどした」と釈明した。

 申し立てた市民グループ「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」代表の浅石紘爾弁護士は「16年前の申し立てに今ごろ決定を出し、しかも棄却。行政庁の怠慢がはっきりしており、強い憤りを覚える」と話した。

 同グループなどは93年、国が認可の際、考慮すべき過去の重大地震を意図的に外し、活断層の存在も無視したなどとして行政不服審査法に基づき申し立てた。保安院は「耐震性は確保できると確認した」としている。

 2007年夏に、保安院や旧科学技術庁などで20件以上の申し立てが放置されていたことが発覚。今回で放置分すべてで判断が出たが、いずれも退けられた。【共同】

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