事故報告の規定「なし」はゼロ/医学部長病院長会議が調査  PDF

事故報告の規定「なし」はゼロ/医学部長病院長会議が調査

 全国医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策に関する委員会」(委員長=嘉山孝正・山形大医学部長)は9月30日、全国の国公私立大学医学部付属病院を対象に実施した「医療事故調査体制に関するアンケート」の結果を発表した。医療事故が起きたと考えられる場合の対応として、8割を超える病院が管理者などに連絡することを義務付けていることなどが分かった。会見で嘉山委員長は「各大学病院内で医療事故に関する一定のガバナンスができている」との見方を示した。

 調査は、全国の国公私立大学医学部付属病院を対象に、4月22日から5月18日まで実施した。80病院に調査票を送り、すべての病院から回答を得た。

 医療事故が起きたと考えられる場合の病院内の事故報告に関する規定について、全体の85.0%が「管理者(病院長)およびリスクマネジャーに連絡する義務がある」と回答した。大学の種類別に見ると、国立大学病院が79.1%、公立大学病院が87.5%、私立大学病院が93.1%だった。「事例によって異なる」と回答した病院は全体の5.0%、「規定がない」はゼロ、「その他」10.0%だった。

 医療事故が起きたと考えられる場合、管理者などへ報告する期限については、すべての病院が「決まっている」と回答した。管理者に事例が報告された場合、事故調査委員会を立ち上げる基準についても、すべての病院が「ある」とした。医療事故調査の際に医療事故に直接関与した者から聞き取り調査を行っているかどうか聞いたところ、すべての病院が行っており、文章化した調査結果を本人に公表しているとした。(10/1MEDIFAXより)

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