予防接種法抜本改正へ、議論の体制固まる/厚労省
厚生労働省の厚生科学審議会・感染症分科会予防接種部会(部会長=加藤達夫・国立成育医療研究センター総長)は8月27日、今後の予防接種法の抜本改正に向けた部会の体制について議論し、部会の中に「ワクチン評価に関する小委員会」を設置した。また、小委員会の下に作業チームを設置し、検討対象となっている▽Hib(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)▽肺炎球菌▽HPV(ヒトパピローマウイルス)─などについて、疾病やワクチンの評価を求めることにした。
これで予防接種法抜本改正に向けて議論を進める体制が整った。設置が決まった作業チームは▽Hib▽肺炎球菌▽HPV▽水痘▽おたふくかぜ▽B型肝炎▽ポリオ▽百日咳─の8疾病・ワクチンごとに、国立感染症研究所や臨床、医療経済などの専門家で構成。評価や位置付けについてファクトシートを基に素案を作成し、ワクチン評価に関する小委員会へ報告する。
小委員会では、作業チームからの素案を受け、予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの在り方や評価項目・方法などについて議論する。議論の結果は予防接種部会へ報告され、部会は予防接種法対象疾病への追加を含んだ制度の見直しについての提言を厚生労働大臣へ行う。
会合には、長妻昭厚生労働相や足立信也政務官、山井和則政務官も出席し、同部会の議論に期待を寄せていると述べた。
●作業チームでの素案作りについて議論/小委員会
開催されたワクチン評価に関する小委員会(委員長=岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長)では、作業チームでの素案作りについて議論した。医療経済的評価について池田俊也委員(国際医療福祉大薬学部教授)が、評価の要素が異なると結果も変化すると指摘。「統一的な基準を決める必要がある」とした。
作業チームでは10月中旬をめどに小委員会に検討状況を報告し、11月中旬には素案を取りまとめる。これを踏まえ小委員会は「各疾病・ワクチンについての考え方(案)」をまとめ、部会へ報告する予定だ。(8/30MEDIFAXより)