予防接種 被災者の取扱いに差異 府内の市町村アンケート結果
震災により京都府内に避難する被災者が、避難先の市町村で予防接種を受ける際の取扱いの現状を把握するため、協会は京都府内26市町村に「被災地の自治体からの避難者が予防接種を希望されるときの対応についてのアンケート」を4月12日に送付。5月17日時点で、23市町村から回答を得た。
質問項目は、定期・任意のそれぞれの予防接種において、「被災地の役所機能がなくなり、依頼書がない場合」について、「それぞれの自治体宛の依頼書を持参された場合」、またその場合の接種料は「自己負担があるかどうか」、について確認した。
役所機能がなくなり、依頼書がない場合の対応については、表1の通り。
依頼書を持参された場合(表2)は、定期接種であるBCG・ポリオワクチンともに、ほとんどの市町村が無料で対応しているが、BCGでは2市町村が「自己負担あり」、2市町村が「協議中」としている。「自己負担あり」の具体的内容では、「依頼書に基づき実施、医療機関の定める額の自己負担あり」「実施医療機関を紹介。自費にて接種いただきます」。対応が決まっていない「協議中」の自治体では「現在、対象の方がいないので、対象が出てきた時に対応協議予定」「無料で接種できるよう個々のケースごとに伺う」としている。
ポリオワクチンについては、自己負担ありとした市町村はなかったが、2市町村が「協議中」としており、具体的内容はBCGと同様であった。
定期接種の中でも、麻疹・風疹、三種混合、日本脳炎については、自己負担ありとしている市町村の数が増えており、各市町村で対応に差があることが明白となった。3つのワクチンともに同じ回答内容となっており、12市町村は無料、6市町村が自己負担あり、2市町村がその他としている。なお、無回答となった3市町村については、対応を協議中としている。
任意接種では、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンが同様の回答内容で、9市町村が無料、7市町村が自己負担あり、2市町村がその他としている。なお、無回答となった5市町村のうち1市町村は、対応を協議中とし、1市町村が「健康被害の場合の補償の関係でなし」と回答している。子宮頸がんワクチンについては、8市町村が無料、7市町村が自己負担あり、2市町村がその他としている。なお、無回答としている5市町村の内訳については、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンと同様であった。
任意接種の水ぼうそう、おたふくかぜについては、無料の市町村はなく、すべての市町村で公費負担での対応なし、あるいは自己負担ありと回答している。
その他の意見欄では、9市町村に対し、避難されている被災者から予防接種の件で問い合わせがあったことも判明した。
協会は取扱いの改善を求める要望を関係先に提出している(前号既報)。
結果の詳細は、メディペーパー京都6月号に掲載予定。