乙訓医師会と懇談
2008年12月8日 乙訓休日応急診療所
オンライン請求義務化に断固反対
16人が出席して開かれた乙訓医師会との懇談会
乙訓医師会との懇談会は12月8日、乙訓休日応急診療所会議室で開催。地区から11人、協会から5人が出席、乙訓医師会・山下元副会長の司会で進められた。
乙訓医師会・伊与田勲会長は、アメリカ発の金融危機以来、世界的な経済低迷は先が見えず、現政権は的確な政策を示せず、失言や朝令暮改的な発言に国民は失望している。医療界は4月診療報酬改定が、8年ぶりのプラス改定といわれたが、実際には診療所の外来管理加算などを財源に、勤務医対策へ振り向けられるなど問題があった。また、後期高齢者医療制度は参議院では廃止法案が可決となったが、遅々として進まない。今後、レセプトオンライン請求や介護保険制度の見直し、障害者自立支援法のゆくえなど問題が山積している、と挨拶した。
地区からは、後期高齢者医療について「後期高齢者診療料については、出来高ではなく包括が容認された。一人の主治医を決めることも軋轢が起こる。京都で約100件の届出があり、その10〜20%が実質算定しているらしいが、トラブルはないのか。また、県によって届出数に開きがあったが、どうしてか」「日本医師会の高齢者医療制度のグランドデザインについてどう思うか」などの意見が出された。
協会からは、鹿児島県の届出が高く、出しそびれたら取れないと駆け込みで動いたようだが、実際の算定は1割にも満たないと聞く。日医のグランドデザインは75歳以上の財源を公費で9割まで増やす案だが、74歳以下の医療保険制度の制度設計変更と一体になっていて、74歳以下の保険に投入されている公費をすべて高齢者制度に集中させるという考え方である。それに伴う74歳以下の制度変更と一体的に検討しないといけないと問題提起した。
レセプトオンライン請求義務化について、乙訓医師会は断固反対と表明。医師が少ないといわれる中で、オンライン化を引金にやめる医師を増やす施策はナンセンスで理解できない。住基ネットに対して市民はアレルギーを持っているが、番号を付けられることと回線で送ることの危うさは、レセプトオンライン化も同様。端末の管理責任を我々に押し付け、患者の選択権を奪うことは大反対との発言が相次いだ。
協会は完全義務化に対して反対。オンライン化の危うさを国民に訴え、オンラインでなくてもできる別の方法を残しておくべきだと強く訴え、請求枚数の最低ラインの引上げや、期限延長を求めている運動を引き続き推し進めたい。強行された場合の受け皿も検討しているが、代行が認められているのは、今のところ医師会のみであると回答。
また、行政訴訟を起こすことも戦術の一つで、運動を起すことでマスコミも注目するのではないか。訴訟をするのであれば、原告団に加わるとの力強い意見も出された。
その他、医師賠償責任保険や第三者機関の医療安全調査委員会の立ち上げなどについても意見交換した。