主要大学の7割以上、入学予定者に麻しん対策求める/証明書提出義務付けも
大学生を中心とした若年層の間で2007年に麻しんが大流行した問題を受け、全国の主要大学の7割以上が、入学予定者に対して麻しん対策を求めていることが2月20日、日本小児科医会などの調査で分かった。厚生労働省は08年度から、高校3年生相当の年齢(第4期)に対して麻しんワクチンの追加接種を始めたが、接種率は伸び悩んでいる。入学シーズンを目前に控え、同医会は「接種率の向上につながるのではないか」と推測している。
厚労省健康局結核感染症課によると、第4期の麻しんワクチンの接種率は、08年末時点で58.1%と低 迷。調査は、同医会と京都小児科医会、京都市学校医会が「接種率向上の手掛かりになれば」と企画したもので、08年末に1学年の学生数が200人以上の大学と医学部のある大学計112校を対象に実施。107校から回答を得た(回答率95.5%)。
調査結果によると、「入学前に麻しん対策を行う」と回答したのは81校(75. 7%)に上り、「入学後に行う」とした25校(23.4%)を含めると、ほとんどの大学で対策を実施していた。
対策としては、「予防接種を指導」する大学が104校(99.0%) 「既往歴、予防接種歴を調査」する大学が88校(83.8%)。麻しんに対する免疫の有無を学外実習などへの参加条件としている大学も56校(53. 8%)あり、29校(27.1%)では授業参加の一部条件としていた。
同医会によると、入学者全員に抗体検査や免疫の有無の申告を義務付けるなど、より厳しい対応をしている大学が4校あるという。神戸大では、09年度の入学者全員に「予防接種実施証明書」か「抗体検査結果証明書」を提出することを義務付け。東京大では、「予防接種自己申告書」の提出を入学後に求めるほか、来春入学予定者向けの募集要項には、未罹患でワクチンの追加接種を受けていない場合には「入学までに極力完了しておくこと」と、注意書きを記載している。(2/23MEDIFAXより)