主張/50周年を迎える協会の医療安全対策
京都府保険医協会は、今から半世紀にも遡る1959年度(昭和34年度)から医療安全対策に取り組んできた長い歴史と経験を有している。2009年度(09年6月1日)には、医療安全対策を開始して、50周年を迎えることとなる。また、40年前の1968年度(昭和43年度)には、全国に先駆けて「医師賠償責任保険」を組織的に導入して、現在まで2千件以上の紛争に対応、そのほとんどが解決に至っている。
更に、医療安全の概念が医療界において未だ一般的でなかった1990年代半ばから、既に紛争対応のみならず紛争予防についても、より具体的に会員各位に啓発をしてきた経緯もある。特に、「医療安全研修会」の開催は京都府内に留まらず、全国の医療団体や病院等から講師派遣の要望が絶えない状況で、協会としては、会員各位の協力の下に、医療安全に対して常に先進的に活動を進めてきたと自負するところである。会員各位には、協会の医師賠償責任保険に加入している限り、医事紛争対応をはじめ、医療安全のサービスを安心して受けていただけることをあらためて約束するとともに強調したい。
また、協会は毎年「医療安全シンポジウム」を定例開催している。今年は3月14日(土)に「救急医療の現状と限界」と題して、医師、看護師、弁護士、救急救命士をパネリストに招いて、参加者とディスカッションする予定である。このテーマは、ここ1年でマスコミに頻繁に報道され始めた「医療崩壊」とも密接に関わるものである。会員医療機関であれば、医師でなくとも参加できるので、興味のある方は協会までご連絡いただきたい。
冒頭に述べたように、協会は医療安全対策50周年に向けて、様々な企画を検討中である。これからも会員各位の「現場の声」に耳を傾け、他者には簡単に真似のできないような、医療安全体制を整備していき、必ずや会員各位にフィードバックしていく所存である。