主張/社会保険診療報酬にかかる事業税非課税措置の継続を

主張/社会保険診療報酬にかかる事業税非課税措置の継続を

 鳩山内閣の退陣を受け、菅内閣が発足した。小沢幹事長が辞任したことにより支持率は新聞社の調査によると60%前後と大幅に改善しているが、気になることもたくさんある。

 6月11日に衆議院本会議で行われた就任後初の所信表明演説では、「強い財政」の実現へ向け「税制の抜本改革着手は不可避」と指摘した。参議院選挙の公約には法人税の引き下げを明記、また「消費税含む税制改革の実施」の明記を検討していると伝えられている。

 我々医療機関の経営状態については、期待を持って迎えた2010年診療報酬改定は10年ぶりのプラス改定と言われたが、わずか0・19%の引き上げにとどまり、しかも大病院中心。診療所は再診料を引き下げられた。日医が6月9日発表した4月分のレセプト調査(速報)によると、診療所の外来は、総点数で前年同期比0・05%減、1日当たり点数も0・21%減といずれも減少した、と伝えられた。医療費は景気の良いときにはその伸び率から医療費抑制策を唱えられ改悪。景気が悪いときには他業種との比較から診療報酬を上げる環境ではないなどと言われ、やはり改悪。いつになったら診療報酬を改善してもらえるのか。

 一方、税制については昨年検討された10年度税制改正大綱では、社会保険診療報酬における事業税の非課税措置の撤廃が俎上に上り、「租税特別措置」をゼロベースから見直し、整理合理化を進めることなどが盛り込まれた。しかし、我々の反対運動もあり、事業税の非課税措置撤廃の議論および租税特別措置法26条の取り扱いは11年度税制改正に持ち越された。医療は、公定価格としての診療報酬、営利性の禁止、応召義務などの高い公共性から他の一般的な事業とは異なるため、社会保険診療報酬にかかる事業税は非課税とされてきた。非課税措置が撤廃されれば、5%の事業税が課税されることに、また診療報酬の適正化を実現するまでの措置として実施されてきた所得計算の特例措置、いわゆる四段階税制が廃止されれば、約3割の会員に影響が出る。

 来年度の税制改正についての議論は、この夏頃から活発になると予想される。厚労省への要望を行うための署名を送らせていただいたのでご協力をお願いしたい。

 ※署名はFAX登録会員に送付。ご協力いただける方には別途送付します。

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