主張/協会発行の医療安全関係の刊行物と諸制度のご利用を  PDF

主張/協会発行の医療安全関係の刊行物と諸制度のご利用を

 京都府保険医協会の医療安全対策は、2015年度で満55年を経過した。5年前にも、医療安全対策50周年として、医療安全シンポジウムの記念開催をはじめ、幾多の刊行物を記念発行したが、京都の会員のみならず、全国の医療関係者から、数多くの注文を受け、それに伴い医療安全研修会にも講師として召かれ、それなりの評価をいただいたと判断している。

 今回の55周年でも、『医事紛争事例集 医師が選んだ55事例』「医療安全を身につけるために 医療安全研修DVDPart?」『医療安全対策55周年記念特集』を相次いで発行した。すでに事例集と記念特集は会員各位のお手元に届いているはずである。恐縮ながらDVDに限っては、会員特別価格(5千円)で販売することにさせていただいた。これらも5年前と同様に、全国に対してPRしているが、PRした翌日から数十件の注文が届いている。特に京都協会の会員各位には、是非とも目を通して、日常診療の参考にしていただきたいと切望する次第である。

 幸いにも2010年代に入り、協会に報告される医事紛争数は減少傾向をほぼ維持しているが、先に紹介した『医療安全対策55周年記念特集』の中でも述べたように、あと数年で(急激な)増加傾向に転じる可能性も否定できない。かつての医療崩壊時のような事態にならないように、比較的紛争が少ない現時点から、準備を行うことに越したことはないだろう。

 協会は刊行物による啓発活動のみならず、実際に会員医療機関に赴いて、会員の要望するオリジナルな「医療安全研修会」を開催することも可能であり、更に医療安全担当者を育成していこうとされる場合には、「医療安全担当者スクール」も設定している。このスクールに参加された医療安全担当者は、会員各位の力強い味方、スタッフとなってもらえることだろう。もちろん、会員ご自身が参加されればなおさら効果は高まると思われる。

 協会は55年前から、医療安全に関して、現場主義の「会員本位」での活動を心掛けてきた。まだまだ、足りない面があるかもしれないが、医師賠償責任保険の運用にも万全を図りながら、これからも会員の生の声を聴きつつ、医療安全対策に精進していくつもりである。

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