主張/医療産業化にノー! 保険医の声結集を
消費税増税延期とアベノミクスの評価を国民に問うという安倍首相の鶴の一声で、年の瀬の12月14日に衆議院議員選挙が行われた。結果は定数475議席のうち、与党が326議席を獲得することとなった。与党はこの選挙結果から、政策に対する国民の信は得られたと評価。引き続き、同路線で邁進するとしている。
しかし、投票率自体は52・66%で、戦後最低を更新。これを見ても、積極的に与党を支持したというより、与党にかわる野党がなかったということが最大の要因ではなかろうか。実際、大手新聞社で行われた世論調査では、野党に魅力なしが70%を超え、安倍首相の政策に不安が過半数、安倍首相の政策評価は11%に過ぎなかった。
今後は、選挙前にはなりをひそめた、安全保障法制度の問題、原発再稼働問題、医療保険制度改革などが次々と打ち出されてくるだろう。特に、混合診療解禁をはじめとする医療産業化路線には断固として反対の声を挙げていきたい。
現在協会は、忌憚ない意見交換の場として、各地区医師会との懇談を順次開催しているが、医療・介護提供体制と医療保険制度の一体的改革、および新専門医制度と総合診療専門医をメインテーマに据え、会員と議論を行っているところである。入院医療を対象とした川上改革、地域包括ケアシステム創設を目玉とした川下改革、医師養成に関わる新専門医制度など、医療における大変大きな政策転換が打ち出されている。今こそ、現場にいる我々医師の声を国に届けなればならない。
そのためにも、会員各位の協会活動へのさらなるご協力をお願いしたい。そして、ひとりでも多くの医師を会員として迎え、我々の声を広く各所に届けられるよう取り組んでいく所存である。