主張/医事紛争減少も医療機関の悩みは続く 困った時こそ協会へ
協会は、3月15日に医療安全シンポジウムを開催したが、その参加者に前年度シンポジウムと同様の「理解し難いクレームを言う患者さんに関するアンケート」を実施した。
そこで最も興味深かったのは、医事紛争が減少し始めた10年前と比較して、現在の患者への対応の困難さに対する回答だった。前回のアンケート結果では、医事紛争も減少してきた最近では、患者対応も少しは楽になってきたのではないか、との淡い期待が見事に打ち砕かれるものであったが、今回も引き続き、多くの回答者が患者対応に困難さを感じている様子が窺えた。医療事故に関わる紛争が、京都を含む全国的にも、やや下火になってきたにもかかわらずである。協会としても、医事紛争に対する姿勢は「量」のみならず「質」を一層考慮しなければならないと、今更ながらに考えさせられた。
しかしながら、このアンケートの中だけでも、協会に相談をした方が15%おられ、他の団体に相談された方よりも群を抜いて多かったことは、極めてありがたいと同時に、会員の期待により一層、応えていかなければならないと改めて身が引き締まる思いである。
協会は今年の6月から2014年度を迎えるが、この年は、医療安全対策55周年に当たる。現在でも、55周年に向けてさまざまな企画を立案中で、会員各位には期待していただきたい。決して大きなことや派手なことはできないかもしれないが、協会の医療安全対策の基本精神は、「会員本位」であり、そのポリシーを全うすることこそが、国民医療の改善と発展に繋がると信じている。どうか、会員の皆様にもそのことだけはお忘れなきよう、今後ともお願いしたいと思う。我々協会は、いつも会員に寄り添っており、いつでも遠慮なく相談を持ちかけていただきたい。