主張/ここが正念場!「新専門医制度」のゆくえ  PDF

主張/ここが正念場!「新専門医制度」のゆくえ

 「新専門医制度」が2017年4月の研修開始まで一年を切った今、各方面から不安や疑問の声が噴出し、情勢は激動している。そもそも「新専門医制度」という新たな仕組みができるきっかけの一つは、日本には医師法などを根拠法にした国としての専門医認定制度がなく、各学会が独自で制度設計して認定してきたことにより、質の保証のない医師の診療行為が許容されているという批判であった。質が担保された専門医を、学会から独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みとして、「新専門医制度」が構想され、第三者機関である一般社団法人日本専門医機構が発足した。

 2015年8月には、専門医機構による都道府県対象説明会が開催され、準備は着々と進められてきたが、今年2月厚労省の社会保障審議会医療部会で「新専門医制度」をめぐり多くの懸念が噴出したため、3月には「専門医養成の在り方に関する専門委員会」の第1回会議が開催される運びとなった。

 懸念の主なものは、研修システムが大学病院や大病院を中心としていることから、地域医療に悪影響を及ぼす可能性があるということ。これに対しては、医師の偏在を防ぐために地域連絡協議会が設置されたが、多くの都道府県で機能していないこと。各診療科での専門研修プログラムに内容の違いがかなりあり、診療科偏在を助長する恐れがあること等だ。

 もともと国にとって「新専門医制度」は、医療・介護サービス提供体制改革の一環であり、その狙いには病床機能分化と医師数コントロールも見え隠れしている。

 白紙撤回が叫ばれ、国が調整に乗り出した今こそ、我々当事者が本当に国民のためになる「新専門医制度」とはいかなるものなのか、そもそも何のための専門医資格なのかを真剣に考え議論し、声をあげ真のプロフェッショナルオートノミーを実現する時である。

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