中級接遇マナー研修を宮津市と京都市で開く
協会は、医院・診療所の従業員を対象に接遇マナーの研修を定期的に開催し、会員医療機関にご活用いただいている。講師は、元日本航空客室乗務員の茂木治子氏で、参加体験型の講習に参加者からは毎回、好評を得ており、初級、中級それぞれのコースを開催している。今号では、12月5日に宮津市で開催した「第9回まるごと保険医協会デーIN宮津」での中級コース、12月17日に京都市内で開催した中級コースそれぞれの参加者の参加記を掲載する。
京都市会場でのグループ検討のもよう
相手の目を見て接することから
丹後中央病院(北丹) 河崎 誠
私が今の病院に勤めだして、もう9カ月が経とうとしています。普段業務を通して多くの患者様や病院職員と接していますが、接遇に対して苦手意識があります。なぜ苦手意識を持っているのか。考え出すとなかなか難しい問いですが、私はどちらかといえば何事にも自信が持てないというか、なかなか一歩を踏み出せない側面があると思います。
今回の研修会の中で、そんな自分を象徴しているかのような出来事がありました。3つのグループに分かれてゲームを行った後、茂木先生から「ゲームを通して感じたことを何でも良いのでグループから一人発表するように」と言われました。私のグループが発表したのは、3つのグループの中で最後でした。私自身、なかなか手を挙げて発言することができませんでした。そのような姿勢が、患者様と接する機会の中で現れていることはなかっただろうか。おそらく、「この職員さんは何だか頼りないな」と思われることが多々あったのではないかと思います。
そこで、まず相手の目をしっかり見て話すことから始めようと考えました。研修の中で茂木先生から「相手の目を見ながら話すように」とアドバイスされましたが、改めてやってみるととても違和感を覚えました。思い返してみると、何気ない会話では相手の目を見ながら自然に話せていても、重要な場面では自信なさげに少し目をそらしながら話をしがちであったと思います。
コミュニケーションは、相手の気持ちを受け止めるだけではありません。こちらの考えを発信することも必要ですし、相手に信頼されればされるだけ深いものになると思います。その第一歩として、相手の目をしっかりと見据え接するように心がけていきたいと思います。
日常生活に通じる接遇の重要性
金井病院(伏見) 田中麻紀
この度の接遇研修を受講した一番の目的は、患者様に満足いただく接客技術を身に付けることでしたが、研修を終えたあとの率直な感想は、接遇というものは仕事中だけではなく日常生活全てに通じる重要なことであることを実感いたしました。
特に印象に残った項目のひとつに「接遇の目的」とは相手の立場を理解し、相手の身になって考えることの必要性が説かれています。最近のニュースや事件からも読み取れるように、あまりにも自己中心的な考え方が相手を傷つけることとなり、不幸な結末を迎えることが多い世の中になっています。隣近所との付き合いも疎遠になりつつある要因のひとつとして、コミュニケーション不足が指摘されています。
この接遇研修では、まさしくコミュニケーションカのスキルアップを図るべく内容が盛り込まれており、自分自身ができていたこと、できていなかったことがはっきりと見えてきました。ただ、自分ではできていると思っていたことが、客観的に見た場合、本当に相手の身になった対応ができていたかと考えた時に、一方的な話し方になっていなかったか、あるいは相手の話をしっかり聴いていたかなど、まだまだ不十分な点があるように思いました。
また、業務を進めていく上では、5W1Hを明確にし、PDCAサイクルをきちんとまわすことが更なる接客技術の向上に繋がることを強く感じました。
職場に戻ってからは、この研修を受講しただけで終わらすことなく、自らが実践し職場の仲間と共有し、よりよい医療サービスを提供できるように努めます。最後になりましたが、今回ご指導賜りました茂木先生をはじめスタッフの皆さま方に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。