中医協総会、被災地支援は補助金で/診療報酬は有効でない
中医協総会は10月21日、災害医療への対応策を審議し、東日本大震災で被災した医療機関への支援は診療報酬上の加算ではなく、政府の補助金で対応する方向で一致した。原子力発電所事故の影響で患者が減れば、加算を付けても算定できず、有効な対応策にならないというのが主な理由。ただ、西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、補助金の用途が限られており使いづらい点を指摘し「現場で医療活動を継続できるよう柔軟に対応してほしい」と厚生労働省に注文した。
嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は、被災者健康支援連絡協議会から被災地に医師を派遣している状況を説明した上で「医師の派遣費用が一番の問題」と指摘。さらに「厚労省からは資金を工面すると聞かされているものの、被災現場には資金も情報も届いていない」と問題視し、早急に対応するよう厚労省に求めた。こうした議論を踏まえて森田朗会長は「中医協というよりも(補正予算を要求している)医政局で対応すべき問題」とまとめた。
さらに嘉山委員は、災害医療では通信機能が重要になるため、具体的な対応策を決めて日常的に訓練しておくべきだと指摘。医政局指導課の井上誠一課長は「災害拠点病院にインターネット接続できる環境を整えるため、予算14億円を要求中」と説明した。(10/24MEDIFAXより)