中医協が公聴会を開催 医療担当者らから意見聴く
10年度診療報酬改定の骨子について広く国民の意見を聴くため、中央社会保険医療協議会(中医協)は1月22日、福島市内で公聴会を開催した。公聴会は今回で2回目。一般公募70人の中から開業医や看護師、患者、医療団体職員ら9人が意見を発表した。全国の保険医協会からは、千葉県保険医協会事務局の川井貴裕氏が、診療所再診料や15対1入院基本料の引き下げの影響や問題点等を指摘した。
中医協は今後、個別の診療報酬項目について具体的な議論を行う(骨子の全文は1月22日発行『診療報酬改定関連情報』に掲載)。
川井氏は、診療所再診料の引き下げに反対。再診料は医師の基本的な診療行為と医療の提供に必要な人的・物的コストが含まれており、引き下げは医療の礎を崩壊させる。診療所経営の土台を揺るがし、地域医療全体に波及する。また15対1入院基本料の引き下げや、90日超後期高齢者特定入院基本料の一般患者への拡大は、地域の入院医療を支える中小病院に大きな影響を与えると指摘した。さらに、公聴会での意見が改定に反映されるようしっかり検討して欲しいと要望した。
この要望に対し、中医協の遠藤会長は、「出された意見はしっかりと検討する」と返答。安達委員からは、改定財源の配分に入院と外来で枠が決められたこと、外来の改定財源(400億円)設定についての考えを問われ、川井氏は、400億円は現場の声を反映したのか疑問。08年改定でも外来管理加算等で800億円もの財源が診療所から病院へ移転されており、診療所の再診料等の引き下げには根拠がないと指摘した。この意見には、嘉山委員からの賛同を得た。