中京西部医師会と懇談  PDF

中京西部医師会と懇談

11月27日 中京西部医師会会議室

運転免許制度見直しなど率直な意見交換行う

 協会は中京西部医師会との懇談会を11月27日に開催。地区から10人、協会から4人が参加した。鈴木卓副理事長の司会で開会し、柴垣一夫会長の開会あいさつ、垣田理事長のあいさつの後、協会から(1)各部会からの情報提供(2)情勢報告(3)新専門医制度(4)2015年度活動方針—について説明。

 また、地区からのテーマとして挙げられた(1)75歳以上高齢者に対する運転免許制度見直しの影響について(診断書作成に関して)(2)マイナンバー制度の医療機関への影響—についても現段階で考えられることを情報提供した。

 運転免許制度見直しでは、高齢ドライバーの事故を防ぐため、15年6月に道路交通法の改正案が成立した。75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際、認知機能検査において「認知症の疑いがある」と判定された場合は、違反経験がなくても医師の診断を義務化するというものだ。現状でも、専門医の数、分布に地域差があることから、主治医が診断書を作成するよう協力を求められている。今後は対象となる高齢者がさらに増加することが予測される。診断書を書くことに強制力や拘束力があるのか、どの程度の責任が問われるのか、診断書の費用はだれが負担するのかなどについて意見交換した。

 地区からは、認知症専門の公的医療機関に対応してもらうのが良いのではないか。診断書料は高齢者自身で負担することになるのではないかという意見が出された。

 これに対し、協会は、運転免許の取消し等は公安委員会において判断されるが、高齢者の生活権・生存権という問題もあるので、認知症の専門医でない主治医に診断書を出させることは問題があるのではないかという見解を示した。また、診断書の提出を義務付け、不利益を被るのであれば、高齢者に費用負担させるのはおかしいのではないかという問題点を指摘した。

 また、協会からマイナンバー制度について、現段階で考えられる医療機関の3パターンの対応((1)自院対応(2)税理士に任せる(3)対応しない)について情報提供するとともに、これまで開催したセミナー等の概要を説明した。

 なお、制度に対応しない、あるいはできない場合等、現段階では罰則はないが、対応しないことへのリスクは制度自体が動いていないため予測できないことを説明した。

 続いて、柴垣会長が冒頭のあいさつで「協会の医事紛争に対する会員援助や保険診療における日常活動には大変感謝をしている。しかし、一時期に比べ、協会の姿勢の政治色が強くなっているように思う。そのため、懇談会への参加者が減ってきているのではないか」と問題提起されたことを受けて意見交換を行った。

 地区から、安保法案に関する保険医新聞の記載について、安保法案賛成、集団的自衛権は必要だと思っている会員もいるので、そういう会員の意思を汲んでいただきたい。いろいろな意見を持った会員がいるので、政治的・宗教的な思想信条に関することや社会問題については個人の判断に任せればよい。協会には、保険医の権利を擁護する、あるいは保険診療を正しく進めていく、皆保険制度を守るための活動をしっかりしていただければありがたい、と要望された。

 これに対し、協会から、会員の先生の意思を代議員アンケート等で確認しつつ取り組んでいる。診療報酬、医療制度に特化した問題だけ取扱えばよいという意見もあれば、それだけではなく、社会的問題にも発言せよという意見もある。理事会では何が一番大事かと悩みながら、喧々諤々の議論をして活動の方向性を決定していることを紹介した。

 最後に、懇談会で忌憚のないご意見をいただいたことに謝意を述べるとともに、代議員会や総会で意見を出していただけば、協会運営に反映できるので、ぜひ積極的に参加をお願いしたいと協会から述べて、懇談会を終了した。

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