中京東部医師会と懇談
11月11日 協会会議室
社会保障制度の「あるべき論」共有を
協会は11月11日、中京東部医師会との懇談会を開催した。出席は地区から6人、協会9人で、司会は中東医師会・竹之内剛理事が務めた。冒頭、辻輝之会長から、「協会との懇談は久しぶりとなるが、こういう場を持ち、地区で頑張っている会員に参加していただき、顔合わせをしたい。また、幸か不幸かさまざまな課題があり、意見交換をしながら交流を深めたい」とあいさつされた。
まず、地区から問われた医療費の動向、特に患者の受診先、費用については、協会でも調査に取り組んでいる旨報告した。そして、政府によって行われているさまざまな議論が、2025年に向けていかに医療費を削減するかに集中していることを指摘。医療費の削減のみが重視されている中でも、協会は「あるべき論」をきちんと訴えていくと回答した。
財源論について、協会は、消費税を上げて給付を抑制するだけでは、社会保障制度は成り立たない。企業が社会保障に対する責任を持つ必要があると回答した。それに対し、地区から、現状の社会保障制度と協会の理想とする制度、それぞれを実現するための費用をわかるようにしていただきたい。そして、支払うべきものは支払う必要があるという認識を持つべきとの提案があった。
総合診療専門医への見解については、病院に通わせないためのゲートキーパー機能を担うことに尽きると回答。特に、一元的な服薬管理の役割については、患者のフリーアクセスを阻害することを問題視し、情報を掌握し管理する経費がかかることに言及。現場の医師の意見を反映した議論が必要であり、今後もさまざまな意見をうかがいたいと述べた。
同様に、医療提供体制の問題については、国民に対して、現状の理解を求めるとともに、医療を支えてきた医師、診療所の果たしている役割のアピールに引き続き取り組んでいくと報告した。
この意見に対し、地区からは、北欧の社会保障制度を例に、長期的ビジョンを持つべきとの意見があった。
その他、資格喪失後の保険証での受診問題の改善について、「地域」が崩壊している中での仮想的な地域共同体のあり方などの話題について意見交換を行った。