与野党協議「衆院解散が前提」/一体改革で自民総裁、首相は否定
菅直人首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問が1月26日、衆院本会議で始まった。自民党の谷垣禎一総裁は、首相が提案する社会保障と税の一体改革をめぐる与野党協議について「国民に信を問うことをもって首相の覚悟と受け止め、税制抜本改革の与野党協議に真摯かつ積極的に参加したい」と述べ、衆院解散が協議の前提だと表明した。首相は解散を否定し、協議への参加をあらためて求めた。
谷垣氏は、社会保障と税の一体改革について「消費税を含む税制抜本改革は(民主党の)マニフェストを根底から覆す一大政策転換だ」とし、「ばらまきのための財源調達を手伝うわけにはいかない」と現時点での協議入りを拒否。「成案を得る前に解散すべき」とし、与野党協議の前提条件として、政府が改革の成案をまとめる6月までの衆院解散を要求した。
首相は「現時点で解散は全く考えていない」と衆院解散を否定。「これから4月までにあるべき社会保障の姿、方向性を明らかにし、6月までに具体的な制度改革案と消費税を含む税制抜本改革についての成案を得る」とし、「案作成の段階から、超党派協議の進め方を含めて野党の意見を伺いたい。議論への参加をお願いしたい」と呼び掛けた。
●2011年度中の法整備「尊重して対応」/菅首相
首相はさらに、11年度中に消費税を含む税制抜本改革の法案提出を政府に義務付けた09年度税制改正法について「政府としては法律を尊重し、しかるべく対応すべきと考えている」と述べ、11年度中の法整備を目指す考えを表明。一方で、消費税の引き上げ幅や時期などについては「野党の意見も伺いながら判断していきたい」と述べるにとどめた。(1/27MEDIFAXより)