与謝・北丹医師会と懇談
12月20日 セントラーレ・ホテル京丹後
協会へ地域に対応した政策望む
協会は与謝・北丹医師会との懇談会を12月20日に開催。出席は地区から9人、協会から8人であった。懇談会は北丹医師会長の齊藤治人氏の司会で進行。齊藤会長は「先日の地区医師会長懇談会では冒頭に協会に対する厳しい意見が出たが、協会理事者による医療情勢の説明後は、こんなことも教えてくれるのかと雰囲気が一変した。本日の会でもいろいろと教えてもらいたい」とあいさつ。
協会から垣田理事長があいさつし、「医療・介護提供体制と医療保険制度の一体的改革について」「新専門医制度と総合診療専門医について」を情報提供した。意見交換では、医療費問題や新専門医制度、平和問題などが話題となった。
地区からは、増え続ける医療費に対して国は国庫負担を減らすことなどを考えているようであるが、協会の考える理想的な医療を実現した場合は、医療費がさらに増えることになる。どこまで増えてもいいと考えているのか、と問う意見があった。これに対し、協会からは、戦後の団塊世代は教育水準が高く自己管理力が高いため、これまでのようには医療費は伸びない、などの考えを示した。
専門医制度について地区から、現在の制度は名前だけで実際に機能しているとは思えないとの考えとともに、これを継続すべきなのかの将来的な見通しについて質問があった。これに対し協会は、新たな専門医制度の仕組みの方向性は決まっているが、これまでの学会ごとの専門医をどう整理するのかは不明とし、国は地域ごとに専門医数の規制をかけてくるのではないかとの見通しを示した。さらに、日本の開業医は、自由開業医制、フリーアクセスと出来高払いで頑張ってきたが、これとは相当違う医師が増えてくる。特に総合診療医は「なぜ専門医なのか」という意見や、広く浅く修めて生涯医師として生活が送れるのかという疑問が各地区から出ていることを紹介した。
地区からも「専門医ではないのが総合診療医だ」と同意する意見や、専門医として論じるよりもまずは自覚の問題であり、自己研鑽を積むことの方が重要だとする意見があった。
与謝医師会会長の中川長雄氏は「協会には、地域ごとの対策を進めていただきたく、懇談でも地域の問題を取り上げてほしい。当地は少子高齢化が先行して進んでおり、少ない医療資源の中で地域完結型医療など、とてもできない。そうした中で、連携も行っている。2025年問題を論じる前に今の各地域を学んでほしい」と締めくくった。