下京西部医師会と懇談
2月5日 下京西部医師会事務所
患者さんにとって潤いのある医療を
協会は2月5日、下京西部医師会との懇談会を開催。地区から15人、協会から7人が出席した。懇談会は、下京西部医師会理事の藤田祝子氏の司会で進行。下京西部医師会会長の山下琢氏のあいさつのあと、各部会から情報提供し、意見交換を行った。
まず地区からは、医療事故調査制度の開業医への影響について質問が出された。協会からは、紛争の有無にかかわらず、予期せぬ死亡があれば報告するということになっており、開業医も必ず直面する問題となる。将来的には、重大な後遺症にまで拡大されるという話もあり、ぜひ関心を持っていただきたい。懸案である、事故報告書の民事・刑事を含めた訴訟での取り扱いなど、今後の結論は紆余曲折も予想され、まだ個別会員に対する具体的な影響までは見通せていないと説明した。
続いて、地区からは総合診療専門医と開業医との関係について質問が出された。協会からは、地域枠の学生や自治医大の卒業生等を総合診療専門医として、地域包括ケアの枠内で活用していこうと考えていることは間違いない。地域医療ビジョンにおいて京都府の医療提供体制を病床の種類や数、専門医の配置も含めて決めてくることも予想される中、自由開業医制への真正面からの挑戦になると受け止めている。フリーアクセス、出来高払制と併せて日本の皆保険制度の根幹が失われようとしており、大変大きな転換点を迎えつつあるとの認識を示した。
さらに、地区からは今後の地域医療の姿について、非営利ホールディングカンパニー型法人が中核となって地域の医療・介護の提供体制を再編していく流れに、開業医も乗ってしまうことが実は楽なのだろう。しかし、その先に見通されるのは効率と営利を追求した、全体がサービス付高齢者住宅のような地域だ。
非効率だが人間味があり、患者さんにとって潤いのある医療を目指していくべきではないかとの意見が述べられた。