下京西部医師会と懇談会  PDF

下京西部医師会と懇談会

1月27日 下京西部医師会事務所

変わりゆく地域と地域医療のあり方を模索

 協会は1月27日、下京西部医師会との懇談会を開催。地区から8人、協会から5人が参加した。山下琢監事の進行で開会、安田雄司会長と垣田理事長のあいさつの後、新専門医制度等について協会からの情報提供を行い懇談した。

 地区からは、学会認定の専門医から専門医機構認定の新専門医に移行することに関しては、領域によっては数十例の簡易な症例報告で可能とするような、相当にハードルを低く設定したものとするという話が聞こえてきている一方で、卒後新規で取得する場合は、キャリア途中での専門医の変更や、臨床と研究の行き来に際して弊害が出る懸念があるとの意見が出た。そして、認定の問題だけではなく、制度自体をどう活用していこうとしているのかに話は移った。協会からは、一番の狙いは医師の「適正配置」であろうと述べ、地区からも「ゆるやかなイギリス方式を狙っているように思う」と同様の意見が上がった。

 続いて、地区からのテーマである?介護保険の動向?非営利ホールディングカンパニー型法人制度―について情報提供の後、意見交換を行った。

 地区からは、新専門医制度との関係では、ホールディングカンパニーがその地域を担ってしまえば、医師の適正配置も容易だろうとの意見が出た。協会からは、岡山市の事例を紹介しながら、大学病院や自治体立病院など基幹病院を中心とするホールディングカンパニーが、保険者であり地域医療構想の主体である県と一体的に「医師配置」や「急性期病床削減」を進めていくことが予想され、それこそがホールディングカンパニー制度導入の狙いであろうと述べた。

 さらに地区からは、最近のショッピングモール内や医療モールでの開業が増えていることで、地区医師会未入会や、診療時間がこれまでのスタイルと異なる医院が多くなり、特定健診や学校医などの医師会の重要な役割である地域医療活動に支障が出てくることを懸念していること。医療モールなどは在宅や介護も担って小さなホールディングカンパニーのようになるかもしれないとの意見が出た。

 協会からは、医師会がホールディングカンパニーに加わるべきとの意見も聞かれるが、そこで開業医がこれまでのような仕事ができるのかどうかは大きな問題だと述べた。

 また地区からは、大きく変わりゆく地域の状況も紹介され、地域包括ケアのあり方を含め、これまでと違った観点で地域を支えていかなければならないとの意見も出た。

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