下京西部医師会と懇談 窓口負担の在り方で意見交換
2月3日 下京西部医師会事務所
協会は2月3日、下京西部医師会との懇談会を開催。地区から15人、協会から6人が出席し、下京西部医師会の西澤明彦副会長の司会で進められた。
大森浩二会長は、「協会には、日頃地区の様々な活動に助力いただき感謝している。地域包括ケアの問題等についていろいろと情報提供をお願いしたい」と挨拶があった。続いて関理事長の挨拶、協会からの情報提供の後、意見交換を行った。
地区から、国保の都道府県単位化問題を巡って協会は、国や京都府に対して窓口負担の引き下げ等も要望しているが、この考え方には賛成できない。コスト意識を高齢者の方に持ってもらうことも必要ではないか、との意見が述べられた。これに対して協会から、「コスト意識の問題」と「医療のあり方」については分けて考えるべきである。コスト意識を重視することは、医療の在り方を変えてしまう恐れがあり、いずれ「持続可能な医療制度」という考え方に引っ張られていくのではないか。必要な医療が受けられない人が、今以上に増える可能性を危惧する、と回答した。
また地区から、最近国保の保険料が高いという理由で、国保に加入せずに民間の医療保険だけに加入するケースが見られる。こういった事態を放置すると、どんどんと若い世代が国保に加入せずに、いずれ制度自体が破綻するのではないかと心配している。世帯によっては、国保の保険料が非常に重い負担となっている場合もある。我々医師もこういった問題に対して、意識して関わっていかなければいけないのではないか、と問題提起があった。協会からは、国の医療保障に対する責任が後退する度に、こういった問題が出てくる。財源論の問題はあるが、やはり医療保障の主体は国であるという原則を貫くしかない、と答えた。
さらに窓口負担についても地区から、定年退職(60歳)から、前期高齢者医療制度(70歳)適用までの期間の窓口負担が、非常に重いという相談を受けることがある。60歳から69歳の窓口負担を軽減する制度が必要ではないかと意見が出された。協会からは、自己負担については、制度としては、限度額が設定されており、一定額以上の支払いは免除されている。しかし、その限度額まで支払うのも困難な人がいるのも確かだ。疾患によっては、そうした狭間の世代に公費が適用される仕組みができないか、行政などに働きかけていきたい。また、70歳〜74歳の窓口負担についても、国は1割から2割負担へ引き上げると言っているが、1割は死守しなければいけないと考えている。その上で、65歳から69歳までの窓口負担も1割に下げるというのが順序としてはいいのでないかと述べた。最後に、12年度からは、「外来診療における高額療養費の現物給付化」が検討されていることも併せて情報提供した。
その他にも、主治医意見書の算定方法等について意見交換を行った。
21人が出席して開かれた下京西部医師会との懇談会