下京東部医師会と懇談
11月8日 ホテル日航プリンセス京都
保険医年金引受会社の経営状況が好転
協会は11月8日、下京東部医師会との懇談会を開催。地区から17人、協会から5人が出席し、下京東部医師会の中西重雄副会長の司会で進められた。
垣田時雄地区会長は、協会との懇談では、医療の現場の本音が出て実り多き会となっている。今年も、いろいろな医療の問題点について意見交換を行い、例年通り実り多い会となるようにしたいと挨拶。その後、関理事長の挨拶、協会からの情報提供の後、意見交換を行った。
地区から、保険医年金について、資料によると三井生命の格付けがBBBマイナスになっている。バブルが崩壊した時に、三井生命が大きな経営危機に陥り、多くの会員が一部解約を申し出るなど大きな問題となった。現在は、落ち着いているようだが、格付けが気になる。今後の見通しについて協会の見解を問われた。
協会からは、格付けはあくまでも投資に関する指標であり、会社の存続にすぐに結びつくものではない。ソルベンシー・マージン比率を見ても指標の200%を大きく超えている。また、組織も相互会社から株式会社に変わったこともあり、過去に比べて組織自体の体力はついているはずだ。今後も各社の経営状況には十分注視し、何かあればすぐにお知らせしたい。また、現在保険医年金への参入を希望する会社が複数あり、三井生命のシェアが非常に高いことを考慮し、シェア割りを検討していることも併せて報告した。
また、地区から地域包括ケアについて、国は急性期の医療に特化しつつ、慢性期の医療を抑制しようと考えているのかと質問が出された。
協会からは、後期高齢者医療制度は高齢者が負担できる保険料水準の10倍以内の費用で地域の医療給付を賄うとしている。その手法で伸びる医療費を制限したいという気持ちが強い。地域包括ケアでも医療費抑制が狙われており、慢性期、特に開業医の役割を縮小して、看護師・介護福祉士の役割を拡大することで給付を抑えようとしている。しかし、急性期と慢性期の医療は一連のものであり、民主党政権が基本的な医療の本質というものを理解しているかは疑問だ。今後どのような医療政策を進めようとしているかにも不安がぬぐえないが、現場の医師が声をあげていくしかないと考えている、と回答し今後の協力を訴えた。
22人が出席して開かれた下東医師会との懇談会