一体改革成案へ税制議論開始/政府税調
政府の税制調査会(会長=野田佳彦財務相)は6月7日、社会保障と税の一体改革の成案策定へ向け税制改正議論を開始した。改革案で示された消費税率引き上げによる安定財源確保策についてと、所得税や資産税など基幹的な税目の抜本改革の方向付けを主な議題とし、集中的に審議する。一体改革の成案が完成する予定の6月20日までに、税調としての意見集約を目指す。
政府の集中検討会議が6月2日にまとめた社会保障改革案に関する質疑が中心となった。消費税率を2015年度までに段階的に10%まで引き上げることに関する指摘が多く「それが前提の議論なのか」などの質問が出た。五十嵐文彦財務副大臣は「10%ありきとは思っていない」とする一方、「集中検討会議が出した案については真摯に検討すべき」と応じた。
また、片山善博総務相は改革案について「地方自治体の意見をほとんど聞いていない」とし、「これから聞くことにはなったが、そういうプロセスを踏まないといけない。すぐに6月20日までなどと期限を区切って進めるが、大事な問題を抜きに進めても世間に出たらはじけてしまう」と苦言を呈した。(6/8MEDIFAXより)