一体改革、具体案へ議論本格化/「集中検討会議」が初会合
政府・与党は2月5日、首相官邸で「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長=菅直人首相)の初会合を開き、社会保障と税の一体改革の具体案づくりに向けた議論を本格的にスタートさせた。公開ヒアリングなどを通じて論点を整理した上で、6月までに社会保障改革案と消費税を含む税制抜本改革の方針を取りまとめる。
菅首相は冒頭、「50年前にスタートした皆保険、皆年金について、少子高齢化の中で国民の安心をどうするかが最大の課題。問題はぎりぎりまで来ている。集中的にコアな部分を議論し、国民的な議論につなげていきたい」と述べた。
集中検討会議では、2月中旬から3月中下旬にかけて、各政党や経済団体、労働団体、報道機関の提言について、公開でヒアリングし、併せて、厚生労働省による改革案の検討状況も聴取し、論点整理を行う。4月以降は社会保障改革の方向性について重点的に議論した上で、6月までに▽社会保障制度の具体的改革案▽税制抜本改革の具体的方針▽消費税引き上げの時期を含む改革の工程表―をまとめ、政府・与党の社会保障改革検討本部に報告する。
●国病機構・矢崎氏ら、新たに委員18人
この日の会合では、公開ヒアリングを中心に議論に参加する委員18人を新たに決定した。医療・介護関係では▽小川泰子・社会福祉法人いきいき福祉会専務理事▽亀田信介・医療法人鉄蕉会亀田総合病院長▽丹生裕子・県立柏原病院の小児科を守る会代表▽濱田邦美・徳島県那賀町日野谷診療所長▽藤本晴枝・NPO法人地域医療を育てる会理事長▽矢崎義雄・独立行政法人国立病院機構理事長―が選ばれた。
【社会保障改革に関する集中検討会議委員】
▽政府=菅直人首相(議長)、与謝野馨社会保障・税一体改革担当相、枝野幸男官房長官、藤井裕久官房副長官、片山善博総務相、野田佳彦財務相、細川律夫厚生労働相、玄葉光一郎国家戦略担当相▽与党=仙谷由人民主党社会保障と税の抜本改革調査会長、亀井亜紀子国民新党政務調査会長▽各界有識者=【経済界】成田豊・電通名誉相談役、渡辺捷昭・トヨタ自動車代表取締役副会長【労働界】古賀伸明・連合会長【学界】清家篤・慶應義塾長、宮本太郎・北海道大大学院教授、吉川洋・東京大大学院教授【有識者】堀田力・さわやか福祉財団理事長、峰崎直樹・内閣官房参与、宮島香澄・日本テレビ解説委員、柳澤伯夫・城西国際大学長(2/1、8MEDIFAXより)