ワクチン同時接種後死亡「因果関係認められない」  PDF

ワクチン同時接種後死亡「因果関係認められない」

 小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」とインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン「アクトヒブ」を含むワクチン同時接種後に乳幼児が死亡した例が5例報告されたことを受け、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会は3月8日、2つのワクチンの安全性について「現段階の情報で、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないと考える」との意見を取りまとめた。同時接種の安全性など、諸外国の状況について今後さらに情報を収集した上で早急に検討することとした。接種の一時的見合わせの措置は当面の間、継続する。

 まとめによると、小児用肺炎球菌ワクチンやHibワクチンを含むワクチン同時接種後に死亡が報告された5例は、0−2歳代の乳幼児で、基礎疾患を有するものが3例、基礎疾患が明確ではないものが2例だった。接種から死亡までの期間は翌日が3例、2日後が1例、3日後が1例だった。

 この日の会合では、各症例について小児科医療の専門家による評価が行われたが「因果関係を否定も肯定もできない」との意見が多くを占めた。

 また、取りまとめでは「先天性の心疾患などの基礎疾患を有する患者は、その状態によっては十分な注意が必要である」として、接種や接種後の経過観察について十分な注意を呼び掛けている。

 国立感染症研究所が実施しているワクチンの検定状況については、ワクチンの死亡報告のあった症例に投与されたロットについて「全て試験結果は変動域内にとどまり、逸脱は認められなかった」とした。兵庫県宝塚市と西宮市の死亡例で肺炎球菌ワクチンのロットが同一だったことについては「製造工程などの逸脱などがなかったか確認を行う必要がある」とし、厚労省としてもメーカーに情報提供を求めるとしている。(3/9MEDIFAXより)

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