レセ電子化の諸問題「議論継続を」/日医IT委が答申
日本医師会は2月24日の会見で、会内の「医療IT委員会」がまとめた答申を公表した。レセプトオンライン請求義務化を事実上撤回した厚生労働省の省令改正について「委員会の主張がほぼ採用されている。大いに評価できる」とした上で、電子化によって集積されるレセプトデータの扱いなどに問題点が残るとし「レセプトの電子化に伴う諸問題についての議論を継続し、解決に向けて今後も強く訴えていくべき」としている。
答申では、行政刷新会議の事業仕分けで「集積したレセプト情報から疾患別分析を行えば、国民の正確な医学的ナショナルデータベースが構築される」と厚労省が回答していることを取り上げ、「レセプトはあくまでも保険ルールに従った診療報酬の請求書にすぎない」とし、レセプトから純医学的分析に資する有用なデータが得られるかどうかは「疑問」と指摘した。さらに、国以外の組織でレセプト情報を活用するナショナルデータベース化構想が進んでいるとし「利用ルールについて日医は毅然とした態度をとるべき」とした。
このほか、保険証の即時資格確認について「強制的なものでなく、現場の医療機関に極力、負担のかからない方法での実現を目指すべき」とした。
国保総括表と地方単独公費請求書についても触れ「レセプト請求をオンラインや電子媒体で行ったとしても、これらが残っている限り、請求事務の省力化というメリットを享受できない」と指摘し、「国のトップに問題を認識させ、強力に号令を出させる必要がある」とした。(2/25MEDIFAXより)