レセプトDB本格活用へ/有識者会議が初会合
厚生労働省は10月5日、「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(座長=開原成允・国際医療福祉大大学院長)の初会合を開き、レセプトの電子化によって集積するレセプト情報・特定健診等情報のデータベース(DB)の活用に向けた本格的な議論を
始めた。調査・研究などへのDBの活用を承認する際の審査基準を2010年度末までに策定し、11年度から審査基準にのっとって個別の審査を実施し、データ提供を開始する方針だ。
現行のDBは、レセプトオンライン化の進展に伴い、患者の個人情報などを匿名化した年間15億件のレセプトデータなどが集積されているが、高齢者医療確保法では、国または都道府県が医療費適正化計画を作成、実施、評価する場合に限ってデータ提供を認めている。
ただ、08年2月に厚労省の「医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会」がまとめた報告書は、医療サービスの質の向上を目的とした調査・研究などへのDBの活用を可能とすべきとしたほか、10年6月に閣議決定した「新たな情報通信技術戦略工程表」では、10年度中に有識者会議を立ち上げ、11年度早期からのデータ提供開始に向けたガイドラインの策定が盛り込まれた。
これを踏まえ厚労省は、近く医療費適正化計画に関するもの以外のデータ提供について告示する方針。原則として厚生労働大臣が申請に基づいて有識者会議から意見を聞いた上でデータ提供の可否を判断することとし、有識者会議は▽利用目的▽必要性▽緊急性▽過去の研究実績や人的体制▽利用場所・保管場所・管理方法▽データ分析結果の公表の有無─などを総合的に勘案して助言する仕組みとする。有識者会議は10年度末までに、大臣に助言する際の具体的な審査基準を策定する。(10/6MEDIFAXより)