レセプトのオンライン請求Q&A(18)レセプトデータの「活用」とは?

レセプトのオンライン請求Q&A(18)レセプトデータの「活用」とは?

Q、医療機関数で90%以上がオンライン請求を行っている韓国では、レセプトデータはどの様に「活用」されているのですか。

A、韓国の審査機関である健康保険審査評価院(HIRA)では、審査業務だけでなく、「診療の適正性評価」を行っています。

 収集されたレセプトデータによりデータウェアハウスを構築し、薬剤の使用実態調査、医療機関ごとの治療成績を把握する、としており、「医療の質の向上、診療内容の評価による医療機関に対する指導」が目的であれば自由に分析する権限が与えられているようです。

 「診療の適正性評価」としては、(1)抗生物質、注射剤処方率、(2)骨関節炎の非ステロイド抗炎症剤、バゾプレシン処方率、(3)1単位輸血実施率、(4)血液製剤使用率、(5)CT実施率、(6)帝王切開分娩率―等15項目について、地域別、医療機関別、標榜科別、主傷病別、高度医療機関・総合病院の診療科別に、月間の分析を行い、4半期ごとにホームページで公表しています注1)。
日本においても、「医療費適正化計画の作成等に必要な分析として、医療機関の種類別の状況や病床数の状況に関する分析を行うため、レセプトデータ上、医療機関・薬局コードの収集は必要」との方針が示されており、韓国のような詳細な分析が検討されないとも限りません注2)。

 注1)厚生労働省第2回「医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会」(07・10・3)における岡本悦司氏(国立保健医療科学院・経営科学部経営管理室長)の提出資料による。

 注2)右記検討会報告書(08・1・30)より。

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