リビングウィル法制化、医師と国民の意識乖離/厚労省調査
終末期医療に関して、本人の意思確認ができない場合にあらかじめ記した書面による確認(リビングウィル) の法制化を望む医師が、5年前と比べて増えている一方、一般国民の間では減る傾向となっていることが、厚生労働省が2008年実施した調査で分かった。書面による意思確認に賛成する割合は、医師、一般国民ともに増加傾向だが、書面の法制化に関する両者の意識の乖離は拡大する傾向が見られる。
厚労省は国民5000人、医師約3200人など計1万4000人余りから、終末期医療に関する考えを尋ねた。
調査結果によると、リビングウィルに賛成した人のうち「法制化すべき」と答えた医師は54.1%で前回調査時(03年) より6.4ポイント上昇したのに対し、一般国民は33.6%で前回より3.6ポイント低下した。「法制化しなくても、医師が家族と相談の上で希望を尊重して治療方針を決定すればよい」と答えたのは、医師の44.6%、一般国民の62.4%だった。法制化を望む看護師は前回より0.4ポイント上がり44.0%、介護職員は1.7ポイント下がり36.6%だった。
法制化するかどうかにかかわらず、書面による確認自体に「賛成」と答えたのは、一般国民の61.9%(前回比2.8ポイント増)、医師の79.9% (同4.6ポイント増)、看護師の82.5% (同7.3ポイント増)、介護職員の81.6% (同5.9ポイント増) だった。医師が書面内容を「尊重する」「尊重せざるを得ない」と考えている一般国民は38.8% (同2.7ポイント増)。書面内容を「尊重する」「尊重せざるを得ない」とした医師は83.4% (同8.8ポイント増) だった。(10/27MEDIFAXより)