リハビリ日数制限、明確な反対なし/厚労省の団体調査
厚生労働省は6月23日、リハビリテーションの診療報酬算定日数上限などに関して、関係団体からの聞き取り調査の結果を公表した。疾患別に設定されている標準的算定日数について、明確に「反対」と回答した団体はなかった。厚労省保険局医療課は「改善の余地はあるにせよ、現在の仕組みで現場が非常に困っており、すぐに変えてほしいという認識ではないと思っている」とし、中医協・診療報酬改定結果検証部会などでの検証結果も踏まえて、2012年度の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて議論を進める考えだ。
4−5月に関係7団体の社会保険担当者らから意見を聞き、▽標準的算定日数の設定▽疾患別リハビリ▽機能維持のために行う月13単位のリハビリ―について総合評価として「基本的に賛成」「基本的に反対」「賛成と反対が会内に混在」に分類した。
標準的算定日数については、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会が「賛成」としたが、ほかの6団体は「混在」だった。「主治医が判断すれば継続できるようになっており、患者状況によって適切に運用すれば現行制度でよい」(日本理学療法士協会)、「標準的算定日数内でおおむね7割は対応できるが、3割程度は日数が足りない印象がある」(日本心臓リハビリテーション学会)、「日数後でも改善を見込める場合は継続できるが、提出資料が煩雑で継続しない場合もある」(同)などの意見があった。
疾患別リハビリに関しては、日本リハビリテーション医学会のみが「反対」で、「リハビリは疾患よりも、むしろ疾患から派生する障害を対象にしている。疾患別の診療報酬体系には無理が多い」「疾患別リハビリの見直しと併せて総合リハビリの設置を考えるべき」とした。「賛成」は4団体で、「混在」が2団体。「賛成」とした日本心臓リハビリ学会は「ほかのリハビリと内容が異なるので、疾患別でなければできない」とした。
機能維持のリハビリについては、「賛成」が2団体、「混在」が5団体。「混在」とした日本言語聴覚士協会は「言語聴覚療法のみの患者は13単位でよいが、理学療法、作業療法と併用する必要のあるケースでは足りないケースもある」とした。「賛成」の日本心臓リハビリ学会は「外来患者の自己負担の金額を考えると、この程度が妥当。しかし、入院の場合には不十分」とした。
リハビリの日数制限をめぐっては、4月の衆院厚生労働委員会で長妻昭厚労相が、阿部知子氏(社民)の質問に対し、現状を把握した上で結果を公表すると答弁していた。調査に回答したのは次の団体。
日本理学療法士協会▽日本臨床整形外科学会▽全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会▽日本リハビリテーション医学会▽日本心臓リハビリテーション学会▽日本作業療法士協会▽日本言語聴覚士協会(6/24MEDIFAXより)