リハビリの施設基準対策や点数の動向など三療法士会と学習会開く
協会は5月25日、京都市身体障害者リハビリテーションセンター研修室で、京都府理学療法士会、京都府作業療法士会、京都府言語聴覚士会との共催で、「リハビリ施設基準対策」と「リハビリ点数の動向」学習会を開催。事務局が講師を担当した。会場の都合で1医療機関1人という参加制限を実施した中、92人が出席した。
適時調査の指摘事項とその対策
学習会では、「リハビリ施設基準対策」として、適時調査での指摘事項を紹介した上で、調査時に必要とされている書類を整備することが対策となると説明。院内組織図からリハビリカルテ、請求事務用集計表に至るまで、それらの書類の意味と整備のポイントを解説した。
また日常における留意点として、施設基準上の「常勤」は当該医療機関に「常勤」という意味であり、「常勤」としている医師や理学療法士等が他の施設に応援等で勤務していないか、外来リハビリテーション診療料を算定しない外来リハはリハビリ前診察ができているかどうか、摂食機能療法が単なる食事介助となっていないかどうか、廃用症候群の原疾患が急性疾患で治療により安静を強いられるものであり、疾患別リハビリテーションの対象になっているもの(例:脳梗塞後遺症、大腿骨頸部骨折等)でないかどうか(各疾患別リハを優先)、リハビリ実施時間が画一的になっていたり、実際の訓練時間と異なる時間記載になっていたりしないかどうか―等の話題を提供した。
維持期リハを中心に最新情報の提供
「リハビリ点数の動向」では、特に次回の改定で廃止が予定されている維持期リハ(算定日数上限を超え13単位以内で実施するリハビリ)がどうなるのかに注目し現時点での最新情報を伝えた。内保連(内科系学会社会保険連合)が維持期リハの継続を要望する方向性を打ち出している他、リハビリ関連団体の役員が「時期尚早」と発言。また日本慢性期医療協会が調査を行い「効果あり」との結論を導き出すなど、リハビリを提供する側からは継続を求める動きが大きくなっていることを紹介した。
また一部で「総合リハビリ療法士」の創設を求める動き(一方で反対する発言もあり)があり、社会保障と税の一体改革で示されている2025年時点のPT、OT、STの地域包括ケアにおける役割分担(訓練を行うのは困難ケース中心でリハビリのアセスメント・計画作成が中心。機能訓練は介護福祉士)と関係があるのではないかという見方も紹介した。次期改定については、まだまだ情報がなく、今後の議論に注目する必要があるとした。