ユニットケアか?多床室か?/特養の整備、政府と野党が論戦  PDF

ユニットケアか?多床室か?/特養の整備、政府と野党が論戦

 2014年度までに特別養護老人ホームの「個室・ユニットケア」の割合を7割以上に引き上げるとしている厚生労働省の方針について、自民、公明両党の議員が3月31日の参院厚生労働委員会で「低所得者の負担が重い」などとして、長妻昭厚生労働相に方針の見直しを求めた。長妻厚労相は、利用者のプライバシーなどの観点から方針は維持する考えを示し「基本的には、個室・ユニットケアの整備を進めたい」と述べた。

●「低所得者の負担重い」多床室の整備要望

 自民党の中村博彦氏は「個室・ユニットケアの施設には、生活保護の人はぜいたくだからという理由で、ほぼ入所していない」と指摘。「多床室は駄目だという流れがあるが、認める自治体も出てきている」とし、低所得者の負担が大きくならないよう、多床室の整備を要望した。公明党の木庭健太郎氏も「低所得者は多床室以外は使いにくいという指摘が現場ではある。個室・ユニットケアが増えれば、低所得者はどうなるのか」と疑問を投げ掛けた。

●自己負担「同時改定の過程で検討」/長妻厚労相

 こうした指摘に対し長妻厚労相は「ついのすみかという側面のある施設で、大部屋でずっと暮らすことが適切なのかというのは、疑問のあるところだ。入所者にとっては個室が望ましいと考える」とし、利用者のプライバシーの観点から、個室・ユニットケアの整備を進める考えを表明。「自己負担の問題は確かにある。2年後の同時改定の中で検討課題としたい」と述べた。

 方針の維持を表明した長妻厚労相に、中村氏は「大臣は多床室に古いイメージを持っている」と述べ、多床室でもプライバシーは守れると指摘。「一度、多床室を見に行って、古いイメージを払拭してほしい」と求めた。(4/1MEDIFAXより)

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