ホームページは広告に位置付けず/厚労省、自由診療規制はGLで
厚生労働省の「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」(座長=長谷川敏彦・日本医科大医療管理学教室主任教授)は11月4日の会合で、医療機関のホームページの位置付けについて審議し、引き続き医療法上の「広告」とは位置付けず、厚労省主導で自由診療分野を対象としたガイドライン(GL)を作成した上で関係団体などが自主的に取り組むとの方向で意見を集約した。厚労省は、引き続き議論を進めた上で年度末に報告書を取りまとめる考え。
医療法では、ポジティブリスト(包括規定方式)で認めている広告可能事項を除いて、医療広告を禁じている。2007年3月に厚労省が示した医療広告のGL(医政局長通知)では▽患者の受診を誘引する意図(誘因性)▽医業・歯科医業の提供者名か病院・診療所名が特定できる(特定性)▽一般人が認知できる(認知性)―の3要件をもって医療広告としている。医療機関のホームページについてはこれまで、患者が自発的にインターネットを利用して検索・閲覧するため、誘因性がないとして情報提供や広報として扱われてきた。ただ、前回の会合では「ホームページの認知性が高まる中で、広告ではないという整理は難しい」「社会通念上は広告だろう」との意見が出ていた。
事務局の医政局総務課はこの日の会合で、ホームページの位置付けについて▽医療法上の広告として規制する(案1)▽個別に3要件を当てはめる(案2)▽「広告」とはみなさずに、新たなGLに基づいて関係団体などが自主規制する(案3)▽広告とはみなさずに、景品表示法や不正競争防止法での規制を円滑に適用できるよう、虚偽や誇大な表示などについて明確化する(案4)―の4案を示した。出席委員の多くが案3を支持したことを受けて、事務局は案3を基に虚偽・誇大表示の基準を明確化(案4)し、実効性がない場合には個別に要件を見極めて規制の可否を決める(案2)方向性を示した。
厚労省は、自由診療のホームページに最低限記載すべき具体的な内容例として▽内容や通常必要となる治療内容・経費を分かりやすく記載し、リスクや副作用などの情報も併記する▽自由診療の限定的な成功事例・効果を強調しない―などをGLの中に盛り込む考えを示した。また、「キャンペーン中」といった価格の強調や「無痛治療」「絶対安全な手術」といった非科学的表現、「日本一」「No.1」「最高」などの優秀性を強調する表現などについても使用しないよう規定する考えだ。
会合では、美容医療サービスの広告をめぐって国民生活センターに年間746件(09年)の相談が寄せられていることも報告された。(11/7MEDIFAXより)