ホメオパシー投与経験、３６施設／助産師会調査

　日本助産師会は９月７日、民間療法の「ホメオパシー」の実態調査の結果を公表した。過去２年間で乳児にビタミンＫ２シロップを与える代わりに、ホメオパシーで使われる砂糖玉「レメディ」を投与したことがあると回答した施設が３６施設あった。同会は「ホメオパシーを医療に代わるものとして使用したり、勧めたりすることのないよう、継続的な指導や研修を実施し、会員への周知徹底を図る」としている。

　８月末現在に会員で、分娩を取り扱う開業助産所４３３施設を対象にした。４１４施設から回答を得た。ビタミンＫ２シロップの投与は全施設が行っていたが、「過去２年以内でホメオパシーのレメディを投与し、ビタミンＫ２シロップを投与しなかったケースを取り扱ったことがある」としたのは３６施設あった。理由としては「薬剤拒否の妊婦に頼まれてビタミンＫ２を投与しなかった」「両方の説明を行い、妊婦の選択によりレメディのみの投与を行った」などがあった。同会は３６施設にレメディをビタミンＫ２シロップの代用として使用しないよう個別に指導した。

　ビタミンＫ２シロップは乳児のビタミンＫ欠乏性出血症を予防するために投与が推奨されている。

●厚労省、助産師会に通知
　厚生労働省医政局看護課は９月７日、日本助産師会の実態調査の結果を受け、同会に対して看護課長名で通知を発出した。ビタミンＫ２シロップの投与の有効性を示し、投与を望まない妊産婦に対してリスクを説明することが重要とした。同会に対して会員への周知徹底や研修の実施などを求めた。（９/９MEDIFAXより）