ホメオパシー「治療への使用慎むべき」/学術会議会長  PDF

ホメオパシー「治療への使用慎むべき」/学術会議会長

 日本学術会議は8月24日、代替療法の1つである「ホメオパシー」についての会長談話を公表し、「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されている。それを『効果がある』と称して治療に使用することは厳に慎むべき行為」との認識を示した。

 学術会議によると、ホメオパシーは植物・動物組織・鉱物などを水で100倍に希釈し振とうする作業を十数回−30回程度繰り返して作った水をレメディー(治療薬)と呼ばれる砂糖玉にしみ込ませ、あらゆる病気が治療できるとする療法。近代的な医薬品や安全な外科手術が開発される以前に「副作用がない治療法」として当時、欧米各国で広まった。過去に「ホメオパシーに治療効果がある」とする論文が発表されたこともあるが、その後の検証でホメオパシーの効果はプラセボ(偽薬)と同様で、治療として有効性がないことが科学的に証明されている。

 談話では、科学的事実を重視する医療改革の中で医学教育からホメオパシーを排除し、現在の質の高い医療が実現したとした上で、「ホメオパシーが医療関係者の間で急速に広がり、ホメオパシー施療者養成学校までができている。このことについて強い戸惑いを感じざるを得ない」と述べた。(8/25MEDIFAXより)

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