プルサーマルで交付金打ち切り/経産省、7道県以外は支給せず  PDF

プルサーマルで交付金打ち切り/経産省、7道県以外は支給せず

 一般の原発でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルの実施受け入れに同意した道県に、それぞれ60億円を払う交付金制度を、経済産業省が3月末で打ち切ったことが6月6日、分かった。

 既に交付が決定した7道県以外は、今後新たに同意があっても交付されない。経産省は「同意自治体すべてに交付すれば、早期に受け入れ努力をしたところから不満が出かねない。延長は不要と判断した」としている。プルサーマル実施以外の、MOX燃料加工施設や使用済み核燃料の中間貯蔵施設などの誘致に伴う交付金は従来通り。

 巨額交付金でプルサーマル推進を図る手法には賛否があるが、打ち切りによって国の原子力政策の先行きにも影響を与えそうだ。

 同交付金は、プルサーマル開始までの間に10億円、さらに開始の翌年度から2−5年間で50億円が支払われる。経産省によると、これまで佐賀県が申請し、交付金の一部が支払われたという。

 2006年10月の制度開始以降、交付対象になったのは北海道(泊原発)、青森(大間原発=建設中)、静岡(浜岡原発)、福井(高浜原発)、島根(島根原発)、愛媛(伊方原発)、佐賀(玄海原発)の各道県。いまだにプルサーマル開始が具体化していない東北、東京、北陸の各電力会社と日本原子力発電の原発は支給対象にならなかった。

 制度は当初、07年3月までだったが、国は08年3月、09年3月と2度延長。経産省は、早期受け入れの優遇という所期の目的を果たしたことや、10年度までに16−18基でプルサーマルを開始するという従来の電力業界の目標に間に合うかどうかを考慮。自治体からはさらに延長の要望はあったが打ち切りを決めた。【共同】

ページの先頭へ