フェーズ1センターの創設を発表/NCC  PDF

フェーズ1センターの創設を発表/NCC

 国立がん研究センター(NCC、嘉山孝正理事長)は8月31日、「国立がん研究センター フェーズ1センター」の創設を発表した。厚生労働省の早期・探索的臨床試験拠点整備事業でNCCはがん分野・医薬品の拠点として選定されている。フェーズ1センターでは、新規抗がん剤を投与する「First-in-human(FIH)試験」をはじめとした第1相試験を実施する体制を整え、将来的には早期臨床開発の世界トップ施設、アジア地区の中心的施設としての地位確立を目指す。

 フェーズ1センター長は国立がん研究センター東病院臨床開発センターの大津敦センター長が務め、副センター長に中央病院の藤原康弘副院長が就く。

 大津センター長はフェーズ1センター創設の記者会見で「医薬品の輸入超過が近年顕著だ。日本での薬剤開発の遅れは、アカデミア施設とベンチャー企業との連携が不十分なことや、FIH臨床試験体制が未整備なことが原因」と指摘。その上で、「フェーズ1センターの整備を通して、FIHの医師主導治験・企業治験、FIH終了後の未承認薬での医師主導治験、付随するトランスレーショナルリサーチを推進していく」とした。

 また、今回の事業によって期待できる新薬開発環境の変化として▽アカデミア・ベンチャー発の新規薬剤の国内開発の促進▽国内外の企業から「医師主導Proof of Concept試験」のオファーが増加することによる企業開発コストの軽減▽国内外企業からの国内早期開発試験への投資の増加▽ドラッグラグ消失と日本発の真のイノベーション創出─を挙げた。(9/1MEDIFAXより)

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