ナースプラクティショナー特区「対応不可」/厚労省、2度目の回答
大学院修士課程で養成するナースプラクティショナー(NP)に初期診察などを認める特区申請について、厚生労働省は大分県立看護科学大と医療法人敬和会大分岡病院の再検討要請に対し、「特区として対応不可で、法律上の手当てを要する」と回答した。特区申請は3回まで検討要請ができ、今回は2回目。厚労省は1回目も同様の回答をしている。大分県立看護科学大は3回目の意見提出も行うとしており、厚労省側からの最終的な回答は2月中旬になる予定だ。
大分県立看護科学大の草間朋子学長は1月15日、メディファクスの取材に対し「政府の規制改革会議が2008年末に出した第3次答申でも、軽度な疾患の処置ができるNPの導入を検討すべきとしている。厚労省には、こうした点も踏まえて検討を求めたい」と話した。
特区は発熱や下痢など軽微な症状の初期診察や症状が安定している高血圧などの患者に対する継続診察、病院での医師の指導・監督に基づく診察などの実習など6項目を行うことを求めるもので、厚労省は08年12月5日時点で、医行為を定めた医師法第17条を踏まえて「対応不可」と回答していた。
これに対し、大分県立看護科学大などは、「初期診察」などは医師の指示に従って行う行為であり、保健師助産師看護師法第5条にある「診療の補助」として認めるよう再度要望していた。
厚労省は今回の回答の中で、チーム医療の実践や各職種が専門性を発揮する観点から、その職種でなくても行える業務をほかの職種が担うなどの「スキルミックス」について現在検討中であると指摘。その上で、特区でNPの業務とした「患者を診察し、必要な検査を自ら実施あるいは指示し、その結果を判断すること」などは、医師の医学的判断と技術をもってしなければ人体に危害を及ぼす行為で、看護師のみで実施することは認められないとした。(1/16MEDIFAXより)