スタッフ雇用を中心に解説 新規開業予定者のための講習会開く
新規開業を考えている勤務医を対象に、協会は「新規開業予定者のための講習会」を5月18日に開催した。共催は有限会社アミス。
第1講目は、「『雇われる立場』から『雇う立場』へ—初めが肝心!スタッフ雇用の留意点」を河原義徳特定社会保険労務士が講演。
第2講目は、たばた皮フ科クリニック院長の田端康一氏より、自身の経験を振り返って、開業地の選定方法や、従業員雇用で悩んだこと、自身の診療方針などについてこれまでの経験からアドバイスした。最後に北村理事から、地区医師会への入会についての留意点および協会共済制度やその他の活用方法について説明した。
採用時の留意点を解説
河原氏は、募集する際に決めておかなければならないことや、面接であらかじめ伝えておくべきこと、採用にあたって、一人しか応募がなくても妥協しないなどの選考基準、最近の求人事情として看護師や受付事務の時給相場などを情報提供した。また、試用期間の重要性や、トラブルになったときに重視される就業規則の重みなどについて解説した。
スタッフ採用は悩み
田端氏は、すでに開業している後輩の診療所を見学し、いろいろリサーチしたことが役立ったこと。立地はスーパーマーケットの横に位置しているので集患に貢献すると思い決定し、それが奏功して患者も増え、駅構内や道路沿いの看板は不要になったことなどを話した。
また、診療所設計のコンセプトとして、診察室を複数作り、自分が動くことで患者さんを効率的に診察するようにしていること。子どもの患者が多いので、お母さんが授乳でき、化粧直しできるスペースを確保するなど待合室は広くしたこと。しかし、内装・デザインはおしゃれな感じを避けた−など、工夫した点を述べた。
一方で、スタッフ採用は開業してから5年で一番の悩みとなっていることを説明。患者が増えて忙しくなると不満が出てくる。これは時給を上げても解決しない。夜に患者が多いが人員確保が難しいと雇用管理の難しさについて述べ、長続きする人はまじめで協調性があり、譲れる人が良いとアドバイスした。
信頼関係構築に腐心
最後に、医学的なことだけでは患者さんは納得してくれない。感情的に納得してもらえることを心がけている。治療の質を高めて口コミで患者が集まることを目指している。口コミで集まってくれた患者は信頼してくれるので治療もうまくいく。患者さんに気分よくなってもらえるように、いつもにこやかにしていることなど自身の心がけをアドバイスした。