スタッフ定着のための雇用管理
トラブル回避のポイントを解説
協会は12月12日に、保団連発行『医院経営と雇用管理2013年版』(月刊保団連13年12月10日号)をテキストとして「知っておきたい医院のための雇用管理講習会」を開催した。講師はテキストの全体監修者である桂好志郎社会保険労務士、参加者は15人であった。
テキストの編集コンセプトは会員の立場に立って、会員を雇用関係のトラブルから守ることに主眼を置いている。このテキストにそって採用から退職まで、院長として知っていなければならないポイントを解説した。主なポイントは以下の通り。
労働契約は一般の売買契約とは異なる。人が相手であり、継続した契約関係になる。お互いが合意すれば契約が成立する。
スタッフが定着するためには、「辞めたくない医院にする」ことが求められる。
正規職員、パート職員関係なく、人を雇うときは労働条件を明示しなければならない。文書で明示しなければならない項目が法律で規定されている。スタッフが定着するためには、休暇と休日を取りやすくすることがポイント。パートタイム労働者にも有給の付与は必要。昇給、賞与、退職金は労基法上の義務はないが、ないと職員が定着しない。退職金規定は作ることを勧める。就業規則は会員を守るものであるため、合理的なものを作成し、職員に周知すること。作成する際には医療現場を理解している社労士に依頼すること。労働条件通知書を作成する際、通勤手当は実費支給の上限を入れておくとトラブルの回避になる。
試用期間中に解雇する際は、14日以内なら可能だが、14日を過ぎると普通解雇となる。医院の業務遂行能力が不足しているという理由だけでは解雇できない。院長がどこまで指導したかなどが問われる。いくら指導しても向上の見込みがないなど、ハードルをクリアしないと解雇権の乱用となるなど解説した。
なお、『医院経営と雇用管理』は12月20日付で会員にお送りしている。ぜひご一読いただきたい。