コーディネーター制度廃止/妊婦搬送利用少なく
奈良県は2月13日までに、夜間や休日に危険度の高い妊婦を受け入れる医療機関を救急隊などに代わって専門家が探すコーディネーター制度を、3月末で廃止することを決めた。
妊婦の受け入れ先が決まらずに死産した問題などを受けて2007年12月に創設したが、利用が少ないことなどから廃止することにした。県は「県立医大にある総合周産期母子医療センターの充実などでカバーしたい」と話している。
奈良県によると、県内では危険度が高い妊婦の救急搬送依頼が年間約200件あるが、制度創設以来の利用件数がわずか5件で、実質的に機能していないという。
県は利用低迷の理由として、(1)コーディネーターが4人と少なく土日だけの運用にとどまっている、(2)コーディネーターは助産師や看護師で医療的な相談に応じられない―などとしている。奈良県では08年2月に病院、開業医による輪番制の1次救急体制が確立され、県は妊婦の受け入れ態勢は整ってきているとしている。【共同】(2/16MEDIFAXより)