コミュニ委/被災者の医療保障や同時改定問題で意見交換
協会はコミュニケーション委員会を4月9日に開催。(1)「2012年診療報酬・介護報酬同時改定に向けて」(2)「震災対策に関する協会の要望」(3)「震災による日常診療における影響、現状、問題点の把握、情報交換(請求方法含む)」をテーマに情報提供を行った。地区から10人、理事6人が出席、岡田楯彦代議員会議長の司会で進行した。
協会は、今回の東日本大震災による被災地の復興支援や被災者の医療保障が優先的に求められていることを勘案し、12年診療報酬・介護報酬同時改定については、中医協などで十分な議論が行われていないことも踏まえ、こういった状況で、拙速に決めるべきではないという考えのもと、12年改定の凍結を求める理事会決議を行ったことを説明し、各委員から意見を求めた。
委員からは、世の中が地震に関心を向けている間に、次回診療報酬改定が終わっていたという状況では困る。そういった点からも次回は「凍結」するのも一つの手段である。また、前回の診療報酬改定では、僅かではあるがプラス改定であったことは評価できる。しかし、勤務医重視という傾向があり、再診料の引き下げが行われるなど開業医にとっては厳しい内容であったのも確かだ。次回診療報酬改定では、こういった傾向が続かないように期待したいとの意見も出された。さらに、別の委員からは、被災地の人々を支援することはいいが、被災地の人だけが医療に困っているわけではない。現在のような経済が低迷している状況下では、全国で医療を受けることができない患者はたくさんいる。改定を先延ばしにするかどうかの議論とは別に、そういった点も踏まえて中身の検討を十分にしなければいけないとの意見も出された。
協会からは、前回の改定ではプラス改定と言われているが、実際には急性期病院を中心とした改定内容で、中小規模病院や開業医などはほとんどプラス改定の恩恵を受けられずに、依然厳しい経営状況にある。医療崩壊の危機的状況は何も変わっていない。現在、厚労省も震災の復興対応に追われており、中医協での議論も行われていない状況だ。次回診療報酬改定については、震災が落ち着くまでは一旦「凍結」して、ある程度落ち着いてからしっかりと議論していく方がいいのではないか考えている。なお、被災地での医療活動においても、長期間になると、現地の医師達の疲弊も危惧される。協会として、そういった医師の支援も今後検討していきたいと述べた。
最後に、茨木副議長より今回の地震に対して、個人的には義援金を送ることぐらいしかできなかった。今後、復興には長い時間がかかると思うので、自分に何ができるのかをしっかり考え、協力していきたいと締めくくった。