クラウドで日本版EHR推進へ/総務省委員会が初会合  PDF

クラウドで日本版EHR推進へ/総務省委員会が初会合

 総務省の「日本版EHR事業推進委員会」(主査=小倉真治・岐阜大大学院救急・災害医学教授)は7月19日、同省内で初会合を開き、クラウドコンピューティングを用いた広域共同利用型E H R(Electronic Health Record)の構築に向けて検討を開始した。初会合を含めて4回の委員会を2012年2月までに開き、同3月に最終報告書を取りまとめる。EHRは、個人が自分の診療情報や健診情報などの医療・健康情報を生涯にわたって電子的に管理・活用できる仕組み。総務省が11年度から始めた「健康情報活用基盤構築事業(日本版EHR)」での実証実験を通して▽医療機関間での継続的な医療▽医療費削減▽健康情報の疫学的活用─などの活用効果を検証する。

 総務省は初会合で、EHRの構築が必要となった背景について▽急速な高齢化・国民医療費の増加▽医師不足・偏在による地域医療提供体制の疲弊▽国民の疾病構造の変化─を挙げた。政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部も「新たな情報通信技術戦略」として▽「どこでもMY病院」構想(13年までに一部開始)▽シームレスな地域連携医療─の実現を掲げ、その基盤としてEHRの構築を位置付けている。このため総務省は11年度中にEHRの効果を示したい考えだ。

 実証実験は▽処方箋の電子化・医薬連携▽医療・介護連携▽共通診察券─の3つ。実証実験を踏まえて▽広域的EHRでのセキュリティー要件や情報流通方法についての共通仕様▽電子処方箋交付の技術仕様▽在宅医療・介護モデルのひな形─の策定を目指す。(7/20MEDIFAXより)

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