カルテの開示体制の整備進む/患者オンブズマン東京が調査  PDF

カルテの開示体制の整備進む/患者オンブズマン東京が調査

 患者の権利オンブズマン東京はこのほど、東京都と神奈川県の病院を対象に、カルテ開示など診療情報提供システムの現状を調査した結果を公表した。回答した全病院が開示請求のための申請用紙を用意しており、情報提供体制が整備されつつあることが分かった。一方、同団体は開示手続きについての情報提供や開示請求件数の少なさなどを課題に挙げた。

 調査は東京都と神奈川県で、日本医療機能評価機構から認定を受けている291病院に調査票を送付した。91病院から回答が寄せられた(回答率31.3%)。同団体は調査対象について「わが国の病院・診療所のカルテ開示の一般的水準より高いと考えられる」としている。

 開示手続きなどについての規約(規定)を作成していたのは97.8%、開示請求の受付窓口を設置していたのは89.0%で、高い割合で開示の体制整備を進めていることが分かった。一方、開示手続きなどについての説明文を掲示していたのは61.5%、開示手続きについての患者向けの文書を作成していたのは59.3%と、開示手続きそのものについての周知を進める必要性が示された。

 過去1年間の開示請求件数(閲覧請求のみを除く)はゼロ件が8病院、1−9件が29病院、10−19件が16病院、20−29件が13病院と29件以下が7割以上を占めた。同団体は、請求の際に費用がかかったり理由を尋ねられたりすることが、請求が少ない理由ではないかとしている。(6/7MEDIFAXより)

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