オンライン請求義務化撤回が全国運動に

オンライン請求義務化撤回が全国運動に

パンフレット配付・署名にご協力を

オンラインパンフレット(改訂版)
オンラインパンフレット(改訂版)

 レセプトのオンライン請求は、08年4月1日より、医療機関の規模、設備等によって順次義務化されていく(現在は経過措置期間)。これまでも保険医協会は、本紙等で問題点をお伝えするとともに、署名等にご協力いただき、08年5月に衆議院・参議院の議長に提出した。しかし、現在のところ義務化の撤回には至っていない。

 今般、この運動をより大きく広げるべく、全国保険医団体連合会(保団連)が、全国の保険医協会に呼びかけて、義務化撤回の運動を強めることになった。

 一つは、オンライン請求義務化の問題点について本会が作成した、患者さんや市民向けに分かりやすく解説したパンフレット(上掲)を改訂し、保団連版として発行。11月5日のメディパックで5部(勤務医会員は1部)ずつ送付した。患者さんに配付し、義務化撤回署名への協力を呼びかけていただきたい。

 もう一つは、「診療報酬オンライン請求の義務化撤回を求める要請書」運動(本紙付録)への取り組みである。一人でも多くの医師が「義務化反対」の意思を表すためにも、ぜひご協力をお願いしたい。

 保団連のオンライン請求義務化撤回運動の趣旨は、以下の3点である。

1、保険医の仲間を一人も廃業させない

 オンライン請求義務化は、健保法に定められた診療報酬請求権を保険医から剥奪し、廃業を促し、その結果、医師不足を原因とする「医療崩壊」に拍車をかける暴挙である。保険医の権利を守るために組織された保険医協会の目的から見ても、保険医の仲間から、一人も廃業させない決意で、オンライン請求義務化撤回を実現する必要がある。

2、医療費抑制策へのデータ使用を許さない

 高齢者医療確保法では、レセプトデータと特定健診・特定保健指導データとの突合・分析が行われ、全国医療費適正化計画の立案に使用される。さらに、規制改革会議はオンライン請求義務化により審査をほとんど自動化し、自動化の進展によっては保険者が直接審査するために、政府・厚労省に対して義務化を徹底するよう要求を強めている。我々は根拠法である高齢者医療確保法の廃止を求めている。また、医療費抑制、保険者による直接審査に結びつく、レセプト情報、特定健診・特定保健指導の情報の目的外使用は認められない。

3、国民のプライバシー権を守る

 レセプトデータは、基金・国保で「匿名化」されたのち国に提供される。個人情報は「削除する」と言われているが、実は「同一人物の時系列分析の必要」性を理由に、暗号化が行われる。このシステムの脆弱さは識者が指摘しており、国民のプライバシー権を侵害するもので問題がある。

【京都保険医新聞第2664号_2008年11月10日_1面】

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